厚肉非晶質合金の製造と特性 発明のヒント

    

    著者:佐藤 駿(工学博士)

   著者略歴:

     福島県出身

     1963年 東京大学理学部物理学科卒業

     1965年 東京大学数物系研究科物理学専攻修士課程修了

     1965年 富士製鐵入社、中央研究所にて方向性電磁鋼板の研究に従事

     1970年 富士製鐵と八幡製鐵合併、新日鐵誕生

     1971年 基礎研究所にて各種磁性材料の研究に従事

     1974年 アモルファス金属の研究に一時従事

     1975年 生産技術研究所にて方向性電磁鋼板の研究に従事

     1978年 基礎研究所にてアモルファス金属の研究に従事

     1993年 東京工業大学工学部金属工学科教授、アモルファス金属の研究に従事

     2000年 同定年退職

     2006年 厚肉アモルファス製造技術の検討を再開

     2007年 ツインロール交互鋳造法の発案、翌年特許出願(3件)

     2012年 SACO合同会社設立(アモルファス関連技術のコンサルティング、ライセンシング)

 

    著者は、新日鐵株式会社において長年に渡りアモルファスの開発に従事されてきた方です。

    その開発・研究の知見を世の中に残したい、後続する方々に有効活用して欲しいという

    気持ちからこの本を執筆しました。

    企業の開発データはなかなか世の中に出ることはありません。貴重なデータかと思います。

    現在の社会でこれから本格的にアモルファスを作ろうという会社は少ないかと思いますが、

    これに携わる方々にとってはそのバイブルにもなろうかという書籍だと思います。

    希望者には有償にて提供できますので、ご連絡ください。

    また著者は、厚肉非晶質合金の商品化に取り組まれています。

    これに協力する企業も多く現れています。

    現在、厚み0.05mm、幅25mmの材料の生産はほぼ軌道に乗っております。

    サンプルの提供も可能となっていますので、希望者は連絡をください。

 

   目次

    はじめに

    Ⅰ部 学位論文「電力トランス鉄心用非晶質合金の磁気特性改善と厚肉化に関する研究」

     第1章  緒論

     第2章  非晶質Fe-Si-B合金の基本特性

     第3章  単ロール法による非晶質合金薄帯の作製とプロセス制御因子

     第4章  非晶質Fe-Si-B合金の軟磁気特性

     第5章  磁気特性におよぼすプロセス要因

     第6章  単ロール急冷法における薄帯形成過程の解析

     第7章  厚肉非晶質合金薄帯の作製法

     第8章  厚肉非晶質合金の特性

     第9章  積鉄心モデルトランスの性能

     第10章  非晶質合金における鉄損改善

     第11章  結論

     謝辞

 

   参考文献

    Ⅱ部 発明のヒント

    (1) Sn()の効用

    (2) なぜFeロール?

    (3) 多重スリットノズル法 発明のきっかけ

    (4) 多重スリットノズル法 特許成立までの紆余曲折

    (5) 厚肉材は積鉄心に向いている?

    (6) 厚肉材を用いたモータ特性

    (7) 1社生産は疑問

    (8) ITC日米特許紛争

    (9) 磁区制御技術 発明の源流

    (10)理系って本当に損か?

    (11)中国のアモルファス事情

    (12)ツインロール交互鋳造法 着想の原点

    (13)ツインロール交互鋳造法 特許要旨

    (14)発明のヒント

 

 

     あとがき